ICL（眼内コンタクトレンズ）
ICL（Implantable Collamer Lens：眼内コンタクトレンズ）は小さなレンズを目に移植する治療で、近視・遠視・乱視を矯正します。
従来の方法であるレーシックは角膜を削るため、元の角膜が薄い方は適応外であったり、強度の乱視や近視の矯正には不向きとされていました。
ICLは専用のコンタクトを目の中に挿入するので、これまで治療できなかった方も手術を受けていただけます。また、治療後でも度数が合わなくなってきた場合はレンズを取り外して、再矯正することも可能です。
裸眼で日常生活を送りたい方にはお勧めの方法になります。
ICL手術の特徴
角膜を削らない治療
ICL手術はレーシックと違い、角膜を削らずにレンズを目の中に挿入する手術です。
強度の近視・乱視も治療可能
角膜が元から薄い方、強度の近視や乱視をお持ちの方はレーシック治療対象外でしたが、ICL手術では近視度数が約-3.00D～-18.00Dまで矯正でき、乱視にも対応できます。また、角膜を削らないので、角膜の厚さに関わらず手術を受けられます。
手術前の状態へ戻せます
レーシックは角膜を削る手術なので、手術後は元には戻せません。一方ICLは違和感がある場合や、白内障手術などを受けるときはレンズを取り外すことが可能です。
お手入れする手間がかかりません
コンタクトレンズは日ごろ交換したり、ケアしたりする必要があり、煩わしさを感じる方も少なくないでしょう。また定期通院も必要になるので時間も消費してしまいます。一方、ICLは目の中に挿入するタイプなので、コンタクトのような細かいお手入れは必要ありません。
リスクが低い
レーシックは角膜を削る際に知覚神経が切断されるため、術後にドライアイになるリスクがあったり、暗い場所では物が見えにくくなる、夜間ドライブ中のライトがよりまぶしく感じるなどのデメリットがありますが、ICLは角膜を削らない分こういったリスクはありません。
コンタクトとの比較
| コンタクトレンズ | ICL手術 | |
|---|---|---|
| レンズの洗浄・交換 | 毎日行う必要がある | 不要 |
| 外れやすさ | 日によって外れやすい時がある | 目の中に挿入するので外れない |
| 通院頻度 | 3ヶ月に1回 | 1年に1回 |
| 費用（両目で、15年使用した場合） | 720,000円※ | 400,000～600,000円 |
※レンズ・洗浄液、コンタクトレンズケースなどのコンタクトの維持にかかる費用を、月額4,000円と仮定して計算した結果になります。
レーシックとの比較
| レーシック | ICL手術 | |
|---|---|---|
| 角膜を削るかどうか | 削る | 削らない |
| 見え方 | 角膜を削るので見え方が変わる | クリアに見える |
| 強度近視・乱視 | -10D以上の強度近視や強度乱視の場合は適応外 | 約-3.00D～約-18.00Dまでの近視、強度乱視でも治療可能 |
| 角膜が薄い | 適応外 | 治療可能 |
| 元に戻せるか（可逆性） | 戻せない | 除去・交換可能 |
| ドライアイ | なりやすい | ほとんどならない |
| 紫外線（UV）カット効果 | なし | あり |
| 安定性 | 数年で少し状態が戻ることがある | 回復した状態が保たれやすい |
手術費用
※術後6ヶ月までの経過観察費用も含まれます。初回の適応検査には別途4,980円(税別)が必要となります。
| ICL 乱視矯正なし | 両眼 598,000円（税別） 税込657,800円 |
|---|---|
| 片眼 398,000円（税別） 税込437,800円 |
|
| ICL 乱視矯正あり | 両眼 648,000円（税別） 税込712,800円 |
| 片眼 398,000円（税別） 税込492,800円 |
注意点
- 手術は両眼とも同日に行います
- 輸送状況によってはレンズが到着するまで時間がかかることがあります。
- ご不明点がありましたらお気軽にご相談ください。
ICL手術のリスク
どんな手術にもリスクや合併症があります。下記についてご一読ください。
感染症のリスク
どんな手術にも伴うリスクとして、感染症の可能性があります。
眼内炎といって目の中で感染症が生じると、それによって視力がさがってしまう可能性があります。
手術前の検査やアフターケアの指示にしっかり従っていただくことが重要です。
視力の変化リスク
ICL手術後に視力が思ったように改善しない場合がありえることにも注意が必要です。
また、過度な近視矯正を行うと遠視になる可能性もあるため、正確な検査を受けて適切な手術計画を設定してもらうことが大切です。
眼圧の変化
ICL手術によって眼圧が変化することがあります。
一時的なものである場合もありますが、長期的な変化が生じることもごく稀にあるため、定期的な検査と医師のフォローアップが必要です。しっかり健康診断を受けるようにしましょう。
見え方の異常や光幻覚
ICL手術後に一時的な見え方の異常や光幻覚（光のまぶしさや反射の感じ方の変化）が起こることがあります。
これは、角膜や眼内レンズの位置によるもので、多くの場合は数週間から数か月で自然に改善します。
術後の炎症や乾燥眼
ICL手術後に一時的な炎症や乾燥眼の症状が出ることがあります。
これにより、目の違和感や不快感が生じることがありますが、医師の指示に従って適切な目薬やケアを行うことで改善できる場合があります。
法定記載事項
- 未承認医薬品等：日本の医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医薬品・医療機器が含まれます。
- 入手経路等：医師が個人で輸入しています。
- 同一成分・同一性能の国内承認医薬品の有無：他に本治療で使用可能な同一の性能を有する国内承認医療機器、医薬品はありません。
- 諸外国における安全性等に係る情報：上記で記載したようなリスク・副作用が報告されています。
